『IWABLO』

どんっ!と構える岩のように

老いることが怖くなってきた 急に

なぜそうなってしまったのかはわからない…

 

いつものように息子とベッドインした時のことである。靴下を脱ぎながら息子は話し掛けてきた。

『ママが金、土 は遅くまで起きていていいけど、それ以外は早く寝なさいって言ってた。なんで?』

急に何の話をしてきたのだ?と思ったが、冷静にこう返す…

『金曜日と土曜日の夜は次の日がお休みだから遅くなってもいいのだよ。明日は幼稚園だから早く寝ないといけないよね。わかった?』

『うん!』

納得したようにモゾモゾと布団に潜り込む息子。そう、理解してくれたのである。

 

今日は休日だったのでどこかへ連れて行かないとなぁ って思ってたところに、子どもたちが

『公園 いきたい~』

というので、久しぶりに行ってきた。

見るからに天気は良くなさそうだったけど。思えば寒くなってからは公園へは行っていなかった。年始からは家族揃ってインフルブームでそれどころではなかったし。子どもは風の子と言うけれど、ほんとそのようだ。

上着も持たずに出掛けようとしていたからである。逆にみそじの中年男はこれでもかと言わんばかりの完璧装備。モコモコのパーカーの上にユニクロのライトダウンで防御力を重視。オマケにネックウォーマーで首もとから冷気を完全にシャットダウン!

大人は火の子なのだ。

普段から仕事で体を酷使してはいるが、グラウンドを縦横無尽に駆け回るとなると完全にベツモノである。サッカーに野球。次第に息苦しくなり、立ち止まるようになってしまった。

『休憩タ~イム♪』

堪らず、陣取った公園のベンチへと戻る。持参したドリンクで一服することにした。ここでも火と風の差が。火の子はホットを、風の子はコールドドリンクを選ぶ…

その後もサッカーをしたり野球をしたりと2時間ぐらい楽しんだ後、お昼の時間となったので帰宅することに。

久しぶりに全速力で走ったりしたせいなのか、体の心のあたりに違和感が出てきた。

『昨日久しぶりに缶ビールを飲んだからかな?』と思ったりもしたが、やはり激しい運動が関係しているのであろう。

 

 

息子と一緒に布団に潜り込んだ後に、今日の出来事を思い返していた。1日が過ぎるのは本当に早い。今日の休日を子どもたちと存分に楽しむことができたのだろうか?少しずつではあるが成長していく子どもたち。その反面、成長しきった中年は老いて死へと向かっていく…  

 

老いていくのが怖い。

 

あと何回 子どもたちと一緒になって公園で駆け回ることができるのだろう。ある程度の思春期まで成長してしまえば、もうお父さんなんて相手にもしなくなることだろうし。

生を受けた以上、誰もが避けては通れない老化。そして 死。

そのあまりにも当たり前過ぎて考えもしなかったことに気付いてしまったのである。

なんか、その、悲しみが急に頭から離れなくなってしまって、恥ずかしながら涙を流してしまった。声潜めながら。

 

今日は公園へ行った以外にも色んなことがあった。帰宅して、お昼ご飯の支度をしたのだが、『今日は冷蔵庫にピザが2枚あるから食べちゃって』と妻から言われていた。

オープンレンジで暖めるだけなのだが、予熱などにけっこう時間が掛かるのである。

『いや、待てよ。ピザ2枚あれば子どもたちならお腹いっぱいになるかな?』

自分はラーメンでも食べるか。とか考える。

1枚焼いて1枚また焼く。出来上がるときにはもうないのである。ペロりだ。

『・・・ラーメンも食べれる?』

『うーーん!!』

いつまでも小さいままではない。想像よりも成長していたのだった。子どもの成長は親として、もちろん嬉しい。けれど寂しい。

テレビゲームが好きで一緒に遊んだりするけど、自分は昔からやってきてるので教えてもなかなか理解してくれないとついついムキになってしまうことがある。自己嫌悪になる瞬間でもある。

『ここはこうで、こうするの!』

『う~ん…  わかんない…』

このようなことが今までにもあった。ゲームなんて楽しけりゃいいじゃん!って心でわかってるはずなのに… 情けない。

恐らく強い口調で教えられても理解したくないだろうし、理解する気にならないよね。

 

唐突にきた

『金、土以外は早く寝なきゃいけないのはなんで?』

という質問に

『金、土は次の日がお休み。それ以外は幼稚園だから早く寝るんだよ』

と、優しい口調で優しく諭す。理解して寝る息子。小学生にも満たない息子にとっては難題だったのかもしれないし、まだまだわからないことだらけなのだろう。

そのわからないことを理解できるようになってしまう、そう遠くはない未来に、自分は今と同じように接していられているだろうか?

元気に過ごせているだろうか?額縁で飾られていたりしないだろうか?

そんなことを考えていたら、老いることが怖くなってきたんです。

急に