『IWABLO』

どんっ!と構える岩のように

乱れを正し未来を灯す

今さらだが歯の矯正を始めることにした。

小学生後半で生え変わった永久歯は犬歯が外に飛び出したドラキュラスタイルであった。

元々口が小さいのに歯は大きいのでミスマッチだったようだ。

これが思春期の私にコンプレックスを与えた。

出来ればこの頃に治したかったのだが我が家の家計事情と、もっと歯並びの酷いゴールデンボウイ(弟)が控えていたため我慢して生きていくことにした。

このとき末っ子はいいなと思った。

 

大人になって多少気にしつつも、高額な治療費と矯正期間の長さから治療に踏み出す勇気が出なかった。

そもそも歯医者嫌いで大人になってから行った記憶がない。

歯石発掘し放題の口内。

歳も歳だしまぁこの歯並びと生きていくかと諦めかけていたところに思わぬ朗報が届く。

お手頃値段で矯正を行う歯科が近くにあったのだ。

私はそこに自身の未来を賭けてみることにした。

 

『大変だこりゃ、歳だし。。。』

 

やんわりと断られた。

だが私はこの"歳だし"という院長の何気ない言葉が深く突き刺さった。

そしてハートに火をつけてくれた。

 

『なら、やってくれる歯科で直してやろうじゃん!』

 

こうして別の歯科で診てもらい矯正を始めることになった。高額だが人生の良き転機となれば安いものだ。

 

3年後にはマスクの必要がない世界で輝く笑顔を振りまいていることだろう

 


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