『IWABLO』

どんっ!と構える岩のように

出会いと別れ【修了証書と感謝状。そしてあの場所へ…】


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3月も終盤…出会い、別れの季節ですね。

 

22日の水曜日。娘の幼稚園卒園式に出席するために、久しぶりの平日休み。

いつもより遅く起床し、ゆっくりとした朝を過ごしていました。

 

「今日で卒園するのか、3年って早いものだなぁ」

 

と、レンジで眠っていたカチカチのトーストをかじりながら娘のことを想うひととき…

 

思い出されるのは、入園当初のこと。

妻の手に引かれた小さな手 。

 

今にも涙がこぼれそうで、不安で押し潰されながらも幼稚園の門をくぐりましたね。

 

昨日までの家での自由な生活が当たり前だったのが、入園と同時にいきなり社会のルールや何もかも自分でやらなくてはいけなくなるという、はじめての関門の連続であったと思います。

 

「大丈夫かな?」という心配も空しく、次第に幼稚園を楽しむことが出来てきたようでほっとしたことを思い出します。

 

入園後の3年間、幼稚園での学び以外にも習字やダンス等にもチャレンジし、体だけでなく心も大きく成長しましたね。

そして向かえた卒園式。

 

ビデオ撮影係だった僕は体育館の一番後ろから、娘の姿を見守る…

ビデオ越しから娘を見るよりも自分の目で直に見て記憶に残したいせいなのか、手ブレ補正では補えないほどのブレを犯してしまう。

 

画面越しではいつでも見れるから直に…

自分の考えだけはブレないように遠くからそっと見守る…

 

式も中盤に差し掛かると、年長さんから年中さんに贈る言葉がはじまりました。

中には6歳ながらも友達との最後の別れを理解しているのか、感極まって涙を流している子もいました。

「おぉ 素敵だなぁ」と胸に熱いものが込み上げてくる…

自分の幼稚園の卒園式は記憶にないのですがきっと悲しくて泣いてはいないだろうし、別の小学校へ進む友達とのわかれなんて全く考えていなかったと思います。

 

幼少期を振り返りながらの卒園式は進んでいきました。

 

 

式も終わり、先生や友達との最後のホームルーム…  涙を浮かべる先生の挨拶も終わり、いよいよサヨウナラの時。

「せんせいさようなら、みなさんさようなら」

 

挨拶も終わると、子ども達はお母さんお父さんの元へと走っていきます。子ども達の実にサバサバした様子に若干苦笑いしながら

「子どもっていいなぁ わかれなんて知らない方がいいよなぁ~ きっと小学生になってたくさんの友達を作ることの方が大事なんだろな」

わかれよりも未来への希望の方が上なのかな。

と思う正午過ぎでした。

 

お祝いということで外での昼食を済ませて、家へと帰ってきました。

帰ってくるなり娘が幼稚園で頂いた卒園記念品と修了証書を見せてくれました。

「ほんとに卒園したんだな」

と成長の証を眺めていると、もうひとつ丸めた紙を渡されました。

 

紙を広げてみると…

 


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ありがとうの感謝状でした。言葉ではなかなか聞くことのない娘からのプレゼントに、ささやかな幸せを感じる昼下がりとなりました。

 

卒園式を録画したビデオを家族で見返し、

"カメラマンの腕がひどいね"

と言われながらもリビングでゆっくりと寛いでいると,

 

「パパ~ 自転車やりたいから公園行こう」

と娘がやってきました。

夕方まではまだ時間があるから、さっそく行こうと支度する…

自転車の操作もだいぶ慣れてきたようで、楽しくなってきたのでしょうか、最近は頻繁に練習に行こうと誘ってきます。

 

行き先は家から最寄りのあの公園です。

 

 


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工業団地内にある貸し切り遊園地。

いつ来ても心やすらぐ不思議な場所です。

 

ここに来ると自転車の練習から逆上がりの練習へとバトンタッチします。

 

 


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「おぉ 前よりもお腹が近づいたねぇ!

もう少し。もう少し…」

 

娘の成長を実感する瞬間でもあります。

足も明らかに高く上がるようになりました。

 

きっと幼稚園でも鉄棒の練習をしていたようですね。練習の成果が目にみえて伝わってきます。

 

「ちょっと休憩するね」

 

一緒になって逆上がりの練習をするのをやめて、近くのベンチから娘の姿を見守ります…

 

「次ここに来る時はきっと鉄棒の上で笑う娘を見れるだろうな…」

 

嬉しさと寂しさが交錯する…

 

逆上がりが出来るようになれば、この公園へ来る機会も少なくなってしまうからな。

 

いや、ひょっとしたら小学校で出来た友達と遊ぶようになり、もうお父さんの出番はないのかもしれない…

 

それでいいんだ…

 

寂しいことだが出番がないことを望む、3月の終わりでした。