昨夜まで何ともなかったテレビが今朝無口になっていた。虚しく流れる映像だけを呆然と眺めながら脳が覚めるのを待っていた。
「買ったのはたしか2年前だったっけな?」
おかしい。家電製品はだいたい10年で壊れる仕様なはずなのにどないなっとんねや。けちって中古で買ったとはいえまだ4~5年しか経っていないのだぞ?人間で言うならばまだ40~50のおっさんおばはん。あ 突然ご臨終してもおかしくない世代か笑
せっかく今日は家で大人しくしようと心に決めた矢先にこれだから相当ついていないに違いない。これを機に追手内洋ニへ改名しようかな。両親には申し訳ないが。
私にとってはテレビは未だにお家時間の最前線で活躍してくれている存在なだけにかなりのダメージを喰らってしまった。もうドラクエならば白線から橙線になったぐらい。もしくはギガンテスの痛恨の一撃を喰らった直後である。
さてどうするか、、テレビがないと何が嫌かってやはり無音空間が完成してしまうところである。無香空間は心地いいが無音空間は物言い。土俵の上で軍配を決めるとしよう。音を聞きたいが故に無意識にテレビを点けることが多いことにも気付かされた。地球のためにちったー節電しなきゃなー。
再購入の費用もそこそこするし、何より半分ゴミと化したそこそこでかい筐体を処分するのが面倒なのである。値が付くのか下手したらお金払って引き取ってもらうのか知らないがとにかく面倒すぎる。
無意識に私はテレビの口部分をやさしく殴打していた。それでも一向に口を開こうとしない。次第に可愛がりから体罰級の強さへと変わった頃についに口を開いた。
「痛い。」
そう私に向かって言っているようだった。少々乱暴してしまったが私は満面の笑みを浮かべていた。テレビのウィークポイントを見つけたのでもうしばらくは誤魔化せると思う。
調子が悪い家電は叩けば直るという言い伝えは間違いではないのかもしれない。
【広告】
新品価格 |